岩本医院 沓掛,石下,坂東市, 内科、外科、循環器内科、消化器内科、小児科、呼吸内科

咳(せき)外来・・・咳でお困りの方へ

長引く咳でお困りの方はいませんか?

 咳は体内に入ってきたウイルスや細菌を体の外へ出すという体に必要な反応です。それでも長く続く咳は体力を使い、疲れを回復するための睡眠をさまたげます。 8週間以上続く咳は慢性の咳といい、原因が様々あります。以下に具体的な慢性の咳を起こす病気についてお話します。

 

 最初に医師が見落としてはいけない病気が肺結核(肺けっかく)と肺癌(肺がん)です。咳のほかに微熱や体重減少をともなう場合があります。主にレントゲン、CTスキャン、喀痰検査で分かります。しかし、よくある病気かというとそこまでではありません。でも見逃すと怖い病気です

  


●次に慢性の咳の原因となる主な6つの病気について説明します。
 

気管支喘息(きかんしぜんそく)

特徴

◎患者さんのアレルギー体質などを背景に気道の炎症(赤くはれている)が起き、刺激に敏感になって狭窄(狭くなっている)を起こす病気です。気道が狭くなりますので気道を空気が行き来している際にゼイゼイ、ヒューヒューといった音がします。患者さんには以下のような特徴があります。

  1. 子供の頃に喘息だった、気管支が弱いと言われて、よくカゼが長引いた事がある。
  2. 血のつながった人に、喘息の人がいる。
  3. 他のアレルギー疾患(アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎)をもっている。
  4. ほこり、たばこの煙、冷たい空気などで咳がでやすい。

治療

吸入のステロイド、気管支拡張薬が非常に有効です。
*ステロイドは一般に様々な副作用を心配されますが、ステロイドの内服とは違い、吸入は肺気管支にのみ作用しますので副作用の過剰な心配は無用です。

咳喘息

気管支喘息のようにゼーゼー、ヒューヒューといった苦しさがなく、慢性に咳だけが続く病気で「気管支喘息の前段階」と言われています。風邪の後に咳だけが長く続く、早朝や夜間、冷たい空気を吸った時、運動、飲酒、緊張した時にも咳が出やすくなります。治療は気管支喘息と基本的に同じです。

 

COPD(慢性気管支炎、肺気腫)

多くは長年の喫煙が原因で、気管支が慢性的に炎症をおこし、肺の末端の肺胞(はいほう)という組織が壊れて起こります。空気の通り道が狭くなり、咳(せき)、痰(たん)が出やすくなり、病気が進むと動いた時、息切れや息苦しさを感じやすくなります。
治療はまず禁煙をすることで、気管支拡張薬を吸入します。病気が進行し体の酸素が十分でなくなったら在宅酸素療法を行います。
*在宅酸素療法;携帯の酸素ボンベで常時酸素を吸う治療

 

感染後咳嗽(マイコプラズマ、肺クラミジア、百日咳など)

一般的な、かぜの咳は1~2週間で治まる事が多いですが、マイプラズマ、肺クラミジア、百日咳などの感染症では、1~3か月と咳が長引くやすい傾向になります。家庭内や学校、職場などで流行がみられることが多く、血液検査(抗体検査)などを手掛かりに、抗生剤(マクロライド、ニューキノロン)を投与します。

  

慢性副鼻腔炎気管支症候群

鼻と気管支の両方に炎症がおきて、湿った咳が続きます。慢性的な気管支炎副鼻腔炎を同時に起こった状態です。鼻水が、のどのほうに落ちてきて痰がからんだようになり咳ばらいをしたくなります。痰を切る薬と抗生物質(マクロライド)の少量投与を3か月ほど続けます。耳鼻科に紹介する場合もあります。 *副鼻腔:鼻の内側になる骨の囲まれた空間です。

 

逆流性食道炎、胃食道逆流症

胃から食道へ胃酸が逆流する病気です。「胸やけ」「すっぱい液が口まで上がってくる」「のどの奥やみぞおち辺りがいつも重たいような感じする」といった症状が起こります、逆流した胃液がのどや気管を刺激して、のどの違和感や咳が出やすくなります。肥満傾向の方や背中が丸くなってしまった高齢者も胃酸が逆流しやすくなります。治療は胃酸の分泌を抑える薬を服用します。食べ過ぎ、胃酸が多くなる食事(脂、肉)をひかえる事も大切です。

 

 

岩本医院では上記の疾患を適切に鑑別して、的確な治療に結びつくよう努めます。